ロバート・モンダヴィ氏の愛妻で、「ロバート・モンダヴィ」の文化事業のバイス・プレジデント(副社長)。スイス生まれで6カ国語を操る才媛。今のロバート・モンダヴィ・ワイナリーが誇る文化事業の礎を築き、牽引したのがマーグリットです。彼女は、スイス生まれの国際的な感性を生かし、ヨーロッパの洗練された味覚と文化をロバート・モンダヴィ・ワイナリーにもたらしました。Wine, Food, Artは今のモンダヴィを語るときに欠かせない要素なのです。
スイス北東部のアペンツェル州で生まれたマーグリットの審美眼や芸術の才能は、教養ある両親から受け継いだもの。幼い頃からオペラやオーケストラ、素晴らしいワインと食事に囲まれて育ちました。
1967年、ロバート・モンダヴィに入社したマルグリットは、その優秀さが認められ、モンダヴィ氏たっての希望で管理業務責任者に就任。画家、彫刻家、写真家など高名なアーティストの展示会を開始し、このファイン・アート・プログラムは瞬く間に発展を遂げ、現在の姿となっています。
1969年、マーグリットはナパ・ヴァレー・シンフォニーの協力のもとに「サマー・ミュージック・フェスティバル」をスタート。このイベントは、ワイナリー内の芝生にステージを設置し、ピクニックを楽しみながら演奏を聴くというもので、世界的に有名なジャズ、R&B、ポップスのアーティストを招いて開かれ、現在も毎年恒例となっています。このほかにも、1984年に創設したウインター・クラシック・コンサートシリーズなど、数々のイベントを実施し、音楽を愛する多くの人々がナパ・ヴァレーを訪れるようになりました。
ワイナリーを訪れるゲストたちに、より素晴らしいワインと料理の組合せを体験していただきたい──そのような想いからスタートしたこのプログラムは、フランスの三ツ星シェフを招聘し、地元の料理専門家等を対象として行った料理プログラムで、旬の食材の使い方、ワインと料理の相性や口中での味覚の変化、さらに卓上の演出までを学ぶもの。ポール・ボキューズやジーン・トロワグロといった一流シェフを招いて行われ、後にジュリア・チャイルドやアリス・ウオーターズなどアメリカ人シェフを招聘するプログラムに発展しました。グレート・シェフ・プログラムは、アメリカの食文化をナパから活性化し、繁栄させた偉大な企画として讃えられています。
2003年、マーグリットは娘のアニー(当時のロバート・モンダヴィのエグゼクティブ・シェフ)と一緒に、料理の本を出版しました。これは、アニーが母マーグリットからインスピレーションを受けて生まれた数々の名作料理を、誰でも作りやすいレシピに仕立てたもの。読む人すべてをモンダヴィの世界へ連れて行ってくれるこの本は、2003グルメ料理本アワードの「もっとも分かりやすいレシピブック」の世界ベストに輝きました。
『Annie and Margrit :Recipes and Stories from the Robert Mondavi Kitchen』
自身もアーティストとして活躍するマーグリット。クレヨンや絵の具を使って、ワイナリーの特別なゲストへのおもてなしのためのデザインを描いたり、食器のデザインを手がけたり。穏やかで慈愛に満ち、会う人を惹きつけてやまない魅力を持つマーグリット。彼女の愛情に満ちた言葉は、今日も私たちを勇気づけ、心豊かな生活とは何かを思い起こさせてくれます。